やりがいのある仕事とは

介護職は苦労があるからこそやりがいも大きい

30 11月

介護の仕事とプライベートの両立

Posted in on 30.11.15

介護の仕事とプライベートの両立に苦労して、悩んでいる方も多いのではなかろうか。もちろん、教員から介護職へ転職した私も、最初は苦労した。私と妻の間に子供はいないので、比較的プライベートの融通が利くけれど、子供ができたらそうもいかないだろう。
今の介護施設は、夜勤がある。教員時代は夜勤はなく、あったとしても予習のための数時間の夜更かしくらいだった。夜勤明けは、だいたい寝て過ごしている。朝9時に帰宅し、そこから12時まで仮眠して昼ご飯を食べ、数時間の自由時間を経ていつも通りの時間に就寝する。夜勤をしはじめてからというもの、妻と話す時間が減ってしまった。また、夜勤明けはどうしてもぼーっとしてしまい、慣れるまでは大変だった。妻は、「あなたが一生懸命頑張っているのならそれでいいのよ」と言ってくれる。おかげで、私達の間に変な蟠りは生まれていない。良き理解者の存在は大切だと改めて思う。夜勤明けに妻の相手ができない分、休みの日は一緒にいる時間を大切にしている。家族がいて仕事とプライベートの両立ができずに悩んでいる方は、家族とよく話し合ってみると良いのではないだろうか。
家族との時間以外にも苦労があった。それは、趣味の時間の確保である。私の趣味は旅行だ。教員時代はまとまった休みがあると、よく旅行へ行っていた。しかし、現在の介護職にはまとまった休みはない。最初はなかなか旅行に行けずに悩んでいた。そんなとき、妻が「旅行に行けないなら、別の趣味を見つければ良いじゃない。例えば、読書とか。そうだ、これを貸してあげる」そう言って私に手渡したのは、幸田露伴の「五重塔」だった。それ以来、私は読書にどっぷりハマってしまった。教員時代は学術書しか読んでおらず、文学を嗜む時間がなかった。読書ならいつでも空いた時間にできるため、不規則に働く介護職にもピッタリだ。
かくして私は介護職に纏わる苦労を幾度と無く乗り越えてきたわけだが、それは妻の存在があったからこそだ。介護の仕事とプライベートの両立は難題だが、学校の難しい数学の問題にも答えがあるように、必ず解決への糸口がある。元数学教師が言うのだから、間違いはない。

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22 11月

介護職の苦労とやりがい

Posted in on 22.11.15

8年間の教員生活に幕を下ろしたのは、母の言葉がきっかけだった。ある日母が家で倒れたとき、私は何もできなかった。母はそれから数日間、寝たきりの生活を続ける。そんなときに、母がぼそっと「あんたも介護ができればねぇ」と呟いた。私はその言葉を聞き、介護業界へと転職を決めた。
私は無事に有料老人ホームに転職したものの、そこでは苦労の連続だった。今までは教師として生徒に教える側だったが、介護業界はずぶの素人だったため、一から教えてもらう必要がある。先輩からの丁寧な指導を受けた後、いざ意気揚々と現場に出てみると、教科書通りに事が運ばない。介護業界は思ったよりも大変だ。
高齢者の介護をやっていて一番苦労したのは、入浴介助。最初のころは、お湯加減や力加減がわからずに失敗することも多かった。私は熱いお湯が大好きなため、ちょっとぬるいかな?と思った温度でも入居者に熱いと言われることがある。今では、「気持ちの良いお湯加減だね」と言われるまでに成長した。職業病からか、プライベートでも誰が見てもぬるいと言うくらいの温度のお湯に浸かるようになった。また、身体を洗うときも、力を入れすぎて入居者に「痛い」と言われてしまった。先輩に、「ゴシゴシしすぎると、痛いだけじゃなくて皮膚の表面に付着している『表皮ブドウ球菌』も取れてしまってダメなのよ。だから優しく撫でるようにしなさい」とアドバイスを貰った。それからというもの、私は猫を撫でるよりも優しい力で、丁寧に入居者の体を洗うようにしている。「痛い」と言われることもなくなった。妻と一緒に風呂に入って背中を流しているときも、「あら、背中流すの上手くなったじゃない」と太鼓判を押されるまでになった。
介護職は苦労することが多いが、その分やりがいも多い。私は、そのやりがいを感じたいがために介護職を続けているのだろう。母のちょっとした呟きが、ようやく実を結んできた。介護職には、苦労がつきもののようだ。〈http://hardships-care.net

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